イギリスのクリスマス・イブの過ごし方 ~大切なゲストの為にあれやこれやと大奮闘!~

クリスマスのこの時期、子ども達はサンタクロースを待ちわび、プレゼント・リストに欲しいものを書き連ね、来るクリスマスを楽しみに過ごします。「良い子でいないと、サンタさんからプレゼントもらえないよ!」と子どもをたしなめるのは、日英共通のクリスマスあるあるですね。

日本では、クリスマス・イブを恋人たちがロマンチックに過ごすというような風潮があります。ご家庭でもツリーを飾って、イブはごちそうやケーキを食べたり、はたまた友達と集まってワイワイ賑やかに楽しんだり、といろいろでしょう。

一方ここイギリスでは、ごちそうを食べるのはイブではなくて、クリスマスの当日。その日は家族全員が大集合してお祝いをするというスタイルです。雰囲気で言えば日本のお正月に近い感じでしょうか。お店もレストランもクローズ、交通機関もストップし、みんなが家族の元で過ごします。

サンタさんのソリ用の駐車(?)スペースを
確保するためにこんなの看板を掲げる家も

ではイギリスのクリスマス・イブはというと、どの家も年に一度の大切な大切なゲストを迎えるための準備に大忙し。よくある風景は、家族ひとりひとりのストッキング(大きな靴下)を暖炉のそばに置いておくというもの。そして、サンタさんの為にミンスパイとミルクかポート酒、そしてトナカイさんにはニンジンを準備して眠りにつきます。すると、翌朝には、準備した食べ物や飲み物は消えていて、代わりにストッキングにプレゼントが一杯詰まっているのです!待ちきれない子どもたちが早朝から大騒ぎしないように、「寝室から出ていいのは朝〇時以降」というルールのご家庭もあるとか。私たち大人は聞こえてくる歓声でクリスマスの朝を迎えます。

マジック・ダストはサンタさんが来てくれた証拠です!

さて、ここからは裏話。

ある年のイブ、サンタさんを待ちわびながらみんな寝室へ引き上げました。でも何か忘れているような気がしつつもウトウトしかけたころ、ハッと思い出しママとパパは暖炉の元へ静かに猛ダッシュ!サンタが来た痕跡を作っていなかった(汗)!ドライフルーツがぎっしり詰まったかなりヘビーなミンスパイをミルクで流しこみ、ニンジンはトナカイが齧った感を出すために歯で食いちぎりと、真夜中過ぎになかなかキツイ夜食を食べる羽目になることも。またある家では、サンタが来た印として、魔法の粉なる銀粉”マジック・ダスト”を暖炉周りや玄関先に撒くそうで、これは後の掃除がかなり厄介だとか。とは言え、どの家庭も子どもの笑顔と喜びには代えられないようで、こうして大人は毎年せっせと準備に追われるわけです。

みなさん、今年も一年ありがとうございました。
Wish you a happy Christmas and a wonderful new year!
よいお年を!

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