シリーズ【イギリスの幼児教育】 第2回:イギリスの幼児教育EYFSの基本理念

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先日から始まりましたシリーズ第一弾「イギリスの幼児教育」、第2回の今日はイギリス幼児教育EYFSの基本理念のについてお話いたします。

イギリスの幼児教育へのアプローチは、従来の教科中心・指導者主導のアプローチとは対照的で、それぞれの子どもにフォーカスを置いています。このアプローチは、1960~70年代には既にイギリスでは広まっており、当時は世界中から教育関係者がそれを学ぶためにイギリスを訪れていました。現在においても、幼児教育の基本理念の根底には、それぞれの子ども達の性質と子ども達が生まれ育つ家庭や文化を尊重することが根付いています。

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幼児教育・保育に携わる方はご存知と思いますが、1989年の国連総会で採択された「ユニセフ子どもの権利条約」によって、子どもの4つの権利というものが定められています。
 ・ 生きる権利
 ・ 育つ権利
 ・ 守られる権利
 ・ 参加する権利
イギリスでは2006年の「子ども法 (Children Act 2006)」によってEYFS(詳しくは当シリーズ第1回の記事をどうぞ)が発足されましたが、その際にもこの権利条約が定めているように、「全ての子どもが、大人と同様ひとりの人間としての人権があり、必要な医療、教育、支援を受け、安全で守られた環境で育ち、自分らしく生きる権利がある」という子どもの基本的人権の保障をベースに制度が作られました。イギリスのこの制度が一括に統一されたものであることは前回の記事でお話しましたが、そこにはこういった背景もあったのです。そういうことから、EYFSでは教育と福祉を分けて提供するのではなく、それを一つにまとめて全ての子どもに同じ機会が与えられるよう「チャイルドケア」と総じて子どもへの教育・保育を提供する統一ガイドラインを設けています。

と、ここまでイギリス、イギリス・・・と連呼してきましたが、厳密に言えばイングランドというべき箇所もあります。ただ、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドでそれぞれに若干の違いがあるものの、大筋においてイングランドの制度をベースにしているということから、便宜上ここではイギリスと言わせていただいています。

さて、次回第3回からは、イギリスの現代幼児教育の歴史をお伝えしようと思っています。今のEYFSに至るまでの道のりには教育業界に多大な影響を与えた人物も登場します。どうぞお楽しみに。

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