シリーズ【イギリス保育園探検隊~ユミ先生の実体験レポート~】第4回:園庭でのコーナー保育
「イギリス保育園探検隊」シリーズ4回目の今日は、以前、大阪城南女子短期大学で特別講義を行った際に(関連記事はコチラから)学生さんから頂いた「外遊びのコーナー保育ってどうなっているの?」という質問に、改めてここでお答えしようと思います。
最近では日本でも、コーナー保育が取り入れられていると聞いています。イギリスのコーナー保育とは、幼児教育方針で定められている7つの学習・発達分野がカバーされるように用意されています。お絵かきのコーナー、ブロック遊びのコーナー、本を静かに読むコーナー、ごっこ遊びのコーナーなどなど。そしてどのコーナーで遊ぶのかは、子ども達が自由に選べます。とは言え、その準備には各分野の学習や発達を促すことができるように保育士達が事前に熟考し、コーナーが設定されています。
イギリスではこのコーナー保育を、教室内だけでなく外遊びの時間に園庭でもできるようになっているんです。講義でそう伝えたところ、学生さんから「えっ、屋外?ちょっと想像できない。」と言われました。
そもそもイギリスの保育園の園庭には、大きな固定遊具が少ないです。これは、遊びは子どもが自由に選択するものという基本姿勢があるので、特定の同じ遊具でばかり遊ぶことはなく、いろいろ遊べるようにその都度、保育士が準備をするからです。その代わりに、屋根がついていて座れる場所、大きな黒板、水遊び・砂遊びができる場所、などは計算されて設計されています。
外遊びの醍醐味は、体を大きく動かして遊ぶこと、それにより粗大運動の発達を促すことですが、時にはそんな気分では無い子どもがいることもあります。イギリスの幼児教育は、あくまでも子ども主体での遊びを通じて発達を促すことができるように考えられています。それを実行できるよう、屋根のあるコーナーには本棚に本を並べて外でも静かに座って過ごせるようにしたり、黒板やイーゼルに絵を描く為のコーナーがあったり、という場所が設けられているわけなのです。