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シリーズ【イギリスの幼児教育】 第8回: イギリスにおけるナニーの歴史 その1「ナニーはいつから存在していた?」

最近、日本でもよく聞かれるようになったナニーというお仕事。

実は、紀元前800年から存在していたという説も!

元々はナースメイドまたはナーサリーメイドと呼ばれ、正式にナニーという名称に定着したのは、1785年-イギリスがジョージ王朝時代のことです。当時は上流階級の家庭で、子どもの面倒を見る女性の召使を指していました。まだ、女性が収入を得ることが許されなかったこの時代に、ナニーは無償で働く代わりに住むところと食べ物を支給されたのです。

画像はイメージです

19世紀になると、イギリスで起こった産業革命の影響により人口が急激に増加し、それに伴って子どもの数も増えたことから、裕福な家庭におけるナニーの需要が一気に広がります。このような背景から、ナニーの養成を目的とする初の教育施設ノーランドインスティテュート(後のノーランドカレッジ)が、1892年に設立されました。創設者のエミリー・ワードは、幼稚園制度の基礎を築いた(幼児教育の父と言われる)ドイツ人教育学者のフレーベルの理念を元に、独自のトレーニングプログラムを考案。設立当時から、ナニーの養成だけでなく、家庭とナニーをつなぐエージェンシーとしての役割も果たして来ました。

現在では、当カレッジにとどまらず、NCFE CACHEを始め、様々なナニーの資格や養成コースが普及し、ナニーという仕事が、王室や上流階級の家庭だけでなく、忙しい共働きの家庭などの保育の選択肢の1つとして、保育施設やチャイルドマインダーと並んで利用されています。

次回は、この長い歴史のあるナニーにまつわるハートフルなエピソードを紹介していきます。

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