『ハリー・ポッターの世界から学ぶ』シリーズ:ハウス制度とは?(その5)
前回の記事は、『ハウス制度』もたらす効果のうち、競争意識と一体感といった情緒の発達についてでした。さて、今回は・・・
帰属意識からの安心感とリーダーシップ
以前、「学生服は16世紀のイギリスが起源 ― 制服の昨今」という記事で、イギリスではほとんどの小学校で制服を導入しているというお話をしました。子ども達は小学校へ上がる年齢に差し掛かると、「身の回りの世界への理解」「社会とのつながり」といった領域の発達が顕著に見られます。そのため、帰属意識を高めることができる制服を導入しているのです。
学校の制服では、バッジやネクタイの色で自分の所属するハウスを示すようになっていて、それらはハウスへの帰属意識・仲間意識を促す手助けになっています。
『ハウス制度』は縦割りのグループですから、様々な年齢の子ども達が一緒になり活動を行います。新しい環境で不安一杯の新入生達には、同じハウスの在校生が学校を案内したり、困っていそうな時には積極的に声を掛けてあげたりという場面がとても多く見られます。「同じハウスに属している」、「自分は受け入れられている」という意識は安心感を生み、新入生は学校生活に馴染みやすくなります。また、在校生たちは新入生のお世話をすることで、自然とリーダーシップを発揮するようになっていくのです。
次回はそのリーダーシップについてもう少し詳しくご紹介します。
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