スカウト団体が幼児向けの「リス隊」を設立ーパンデミックの影響を受けた子ども達をサポート
イギリス発祥のスカウト運動 “The Scouts”(日本ではボーイスカウトと言った方が馴染みがあるかもしれません)は、1907年にロバート・ベーデン-パウエル卿が青少年教育活動として開始して以来世界中に広まっていて、今では172の国と地域で約4,000万人が活動している団体です。これまでは、就学年齢に達した子どもが入団し、年齢別の隊で自主性・協調性・社会性・リーダーシップなどを学ぶため様々な活動を行っていました。
そのスカウト団体が、コロナ禍の生活が乳幼児の発達に与えている大きな影響・ダメージを懸念、子ども達がより健康的に学習・発達ができるようにと先月、就学前の4~5歳児を対象とする「リス隊 (The Squirrels Scouts)」を新たに立ち上げました。スカウトがこのように新たなプログラムを作ったのは、実に35年ぶりとのこと。それだけ、コロナの影響は深刻なもので幼児教育への対応が求められているということなのでしょう。
リス隊は、パンデミックの被害が最も大きかったコミュニティを中心に展開され、イギリス全体で最も恵まれない地域にグループを設立することを優先しながら、200のグループを通じて最初の3年間で少なくとも12,000世帯をサポートすることを目標にしているそうです。
その活動プログラムは、コロナ禍で影響を受けた子ども達の発達分野に重点を置いていて、共同作業、コミュニケーション、言語、創造性、コミュニティの認識といったスキルの促進を目指してます。リス隊の子ども達は他のスカウト隊と同じように、活動に参加して自然の中で学び、様々なバッジを獲得することができます。新しく作られたバッジには、Feel Good、Be Active、Explore Outdoors、Brilliant Builder、Exciting Experimentsといった種類があり、子ども達のモチベーションを高め、達成感・自己肯定を促すようになっているのです。
幼児期における経験は、その後の人生において長期的に大きな影響を与えることがわかっています。そのため、大切な幼児期に少しでも前向きで良い体験を子ども達に提供することは、こんなご時世だからこそより重要なことなのでしょう。
「子ども時代は待ってくれない。今こそ我々がやらなくては。」チーフ・スカウトのベア・グリルの言葉が胸にきました。