シリーズ【イギリス保育園探検隊~ユミ先生の実体験レポート~】第2回:Show and Tellは子どもの表現の場
先日始まりました「イギリス保育園探検隊」というシリーズ。今回も私、保育士見習いのユミ先生が経験したイギリスの保育園の様子をお伝えしていく企画の第2回です。今日は、前回に引き続きサークルタイムでよく見かける光景をお伝えしたいと思います。
サークルタイムとは、子ども達と保育士が車座になって行う活動のことです。このサークルタイムで行う活動の一つに「Show and Tell」というものがあります。これは、子どもが自分の好きな物や見せたい物、伝えたい事などを持ってきて、みんなの前で発表するというもの。発表する子どもは、自分を表現することを学び、聞いている子ども達は人の話に耳を傾けること、新しいことに興味を持つことなどを学んで行きます。また、保育士は発表者や聞き手を上手に促し、話し合いの場でのマナーなどを教えていきます。
また、いろんなカルチャーを持つ子ども達が集まているので、中には英語が母国語ではない場合もあります。そういう子ども達も、Show and Tellではがんばって英語で話をしたりみんなの質問に答えます。保育士だけでなく子ども達も一生懸命耳を傾け、相手を理解しようと努めます。こうした機会を通じて、自分を認めてもらうことで得る自己肯定感や達成感、そして「みんな違っていい」を受け入れる広い心を育むことができるのです。
こういった訓練を幼いうちからすることで、子ども達はディベートの技術につながる基礎を身に付けていきます。そして、これらの活動を重ねて小学校の高学年にもなると、自分の気持ちとはあえて反対側の立場に立った意見を発表するという練習もします。そうすることで、自分本位でなく他者の立場に立って物事を考えるという力、格言にもある「put yourself in someone else’s shoes」を実体験して身についていくわけです。イギリス人が議論好き・議論上手と言われるのも分かりますね。